注文住宅の購入は、人生で最も大きな決断の一つです。しかし、契約内容を十分に理解せずにサインしてしまうと、後々トラブルや予想外の出費につながる可能性があります。理想の家づくりを成功させるために、契約前に必ず確認すべきポイントを押さえておきましょう。本記事では、後悔しないためのチェックポイントを詳しく解説します。
CONTENTS
契約書の内容確認
注文住宅の契約書は最も重要な書類です。専門用語が多く難解に感じるかもしれませんが、内容を理解せずにサインすることはやめましょう。ここでは、契約書で確認すべき重要なポイントをわかりやすく解説します。
契約書の主要項目とは?
工事請負契約書には、工事の内容、契約金額、支払い条件、工期、完成時期などが記載されています。設計図書は間取りや仕様を示す重要な資料で、平面図、立面図、設備図などが含まれます。仕様書には使用する建材や設備機器の詳細が記載されているのでグレードやメーカー名も確認しましょう。
契約金額の内訳をチェックする
契約金額は、本体工事費、付帯工事費、諸費用に分けられます。本体工事費は建物本体の建築費用で、付帯工事費に含まれるのは外構工事、地盤改良、給排水の引き込み工事などです。諸費用には設計料、確認申請費用、登記費用などが該当します。見積書に「一式」と記載された項目がある際は、具体的な内容を確認し見積もりに含まれていない項目がないかをチェックしましょう。
契約解除条件と違約金について
契約したけれど、やむを得ず解除が必要になる場合もあります。契約書には解除条件と違約金について明記されているため、必ずチェックしておきましょう。施主都合での解除の場合、既に発生した費用と違約金の支払いが必要です。また、契約から8日以内であればクーリングオフが適用される場合もあります。
保証内容とアフターサービスを確認する
住宅は完成後も長く住み続けるものです。そのため、保証内容とアフターサービスの充実度は非常に重要です。ここでは、保証とアフターサービスに関するポイントを詳しく解説します。
住宅保証の種類と保証期間
住宅保証には、構造躯体の保証、防水保証、設備保証などがあります。法律により、構造躯体と雨水の浸入を防止する部分については、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。設備機器の保証は通常1〜2年程度で、メーカー保証が適用されます。
定期点検とメンテナンスの内容
引き渡し後の定期点検の回数と時期を確認しておきましょう。一般的には、6ヶ月、1年、2年、5年、10年のタイミングで点検が行われます。点検の際は、無償点検の範囲と回数、有償メンテナンスになる項目を明確にしておきましょう。定期点検では、外壁のひび割れ、屋根の状態、給排水設備などをチェックします。メンテナンスを怠ると、保証が適用されない場合もあるため、定期点検は必ず受けましょう。
追加費用が発生するケースを把握する
契約後に追加費用が発生するケースを事前に把握しておきましょう。設計変更による追加費用は、間取りや仕様を変更した場合に発生します。そのため、どの程度の変更まで無償対応してもらえるのか確認しましょう。
工期とスケジュールの確認ポイントとは?
注文住宅の工事は数ヶ月から1年程度かかります。入居予定日に間に合わせるためには、工期とスケジュールの管理が重要です。契約前に詳細な工程表を確認し、遅延が発生した場合の対応についても把握しておきましょう。ここでは、工期に関する確認ポイントを解説します。
着工から引き渡しまでの詳細な工程表
契約時には、着工から引き渡しまでの詳細な工程表を確認しましょう。工程表には、地鎮祭、基礎工事、上棟など各工程の開始時期と完了時期が記載されます。施主の立ち会いが必要な場面もあるため、あらかじめ把握しておきましょう。
工期遅延時の対応と責任
工期が遅延する原因には、天候不良、資材調達の遅れ、施工上のトラブルなどがあります。契約書には、遅延時の対応と責任の所在が記載されているので必ず確認しましょう。施工会社の責任による遅延の場合、違約金や補償が発生する場合があります。
引き渡し時の確認事項と手続き
引き渡し時は、完成後のチェックを入念に行いましょう。床や壁の傷、建具の動作、設備機器の動作確認など、チェックリストを作成して漏れがないようにします。不具合を発見した場合は、その場で指摘し、対応方法と期限を確認します。
まとめ
注文住宅の契約時には必ず確認すべきポイントがあります。特に 「契約書の内容」「保証・アフターサービス」「工期・スケジュール」の3つは、細部まで丁寧にチェックしましょう。まず契約書では、工事の範囲・金額の内訳・契約解除条件が明確に記載されているかを確認します。専門用語が多く分かりにくい場合もありますが、疑問点はそのままにせず、必ず質問して納得したうえで契約することが大切です。次に保証面では、構造躯体や防水の保証期間、定期点検の回数、追加費用が発生する条件を把握しておくと安心です。さらに工期については、詳細な工程表を事前に確認し、万が一工期が遅れた場合の対応方法についても取り決めを把握しておきましょう。注文住宅を検討している方は、これらのポイントを押さえながら、納得のいく住まいづくりを進めましょう。