注文住宅を建てる際、多くの人が悩むのが収納スペースの確保です。どれだけ広さを取るべきかはもちろん、場所や用途に応じた収納の工夫が必要です。十分な収納を設けないと、住まいがすぐに物であふれてしまいます。本記事では、注文住宅に必要な収納の広さや配置のポイントを具体的にご紹介します。
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注文住宅の収納計画はしっかりと立てよう!
収納計画は単に物をしまう場所を決めるだけではありません。家族のライフスタイルや今後の生活変化を見据えて、最適な収納の場所や方法を計画することが求められます。では、どのようにして効果的な収納計画を立てればよいのでしょうか。
まずは必要な収納量の把握からスタート
まずは、どのくらいの収納スペースが必要かを把握することから始めましょう。必要な収納量を知るためには、家の中にあるすべての持ち物をリストアップし、使用頻度やサイズにもとづいて分類します。
よく使うものは手の届きやすい場所に、季節用品やあまり使わないものは手の届きにくい場所に収納するなど、物の使い勝手に応じて配置するとよいでしょう。また、収納スペースを単に広く取るのではなく、実際に使えるスペースを意識することが大切です。
たとえば、3帖のウォークインクローゼットでも歩くスペースを考慮すると、実際に収納できる面積は半分ほどになることもあります。つまり収納量を確保するだけではなく、実際の使い勝手に配慮した設計が重要です。
ライフスタイルから考えるのもアリ!
家族構成や生活スタイルによって、どの部屋にどんな収納を設けるかも考えましょう。たとえば、キッチンや洗面所には頻繁に使う日用品をすぐに取り出せるように収納を設置し、玄関には靴や外出用具をまとめて収納できるスペースを確保するのが理想的です。
動線を意識して、必要なものをすぐに取り出せる配置にすることで、日々の生活がスムーズになります。また、各家族メンバーの趣味やニーズにあわせた個別の収納も検討しましょう。趣味道具や仕事の書類など、それぞれのライフスタイルにあった収納があると、家全体がすっきりし、心地よい空間が実現します。
将来を見据えて設計しよう
収納計画を立てる際には、家族の成長やライフステージの変化にも対応できるような柔軟な設計が求められます。
子どもが小さいうちは広い共有スペースを確保し、成長した後は各自の収納スペースを増やすなど、将来の変化を考慮した設計が重要です。たとえば、ファミリークローゼットを設けて、成長とともに使い方を変えるような柔軟な収納方法も検討できます。
注文住宅で人気の収納方法・スペース
家族の快適な生活を支えるためにも、各種収納の配置や広さは非常に重要です。今回は、注文住宅で人気のファミリークローゼット、パントリー、ロフト・屋根裏収納、階段下収納の4つの収納スペースに注目し、それぞれの特徴と注意点をご紹介します。
ファミリークローゼット
ファミリークローゼットとは、家族全員の衣類や布製品を一括して収納できる便利なスペースです。目安としては、4人以上の家族なら畳4枚分以上の広さが理想です。これだけのスペースがあれば、衣類に加えバスタオルやシーツなどの大物も余裕を持って収納でき、日々の片付けが楽になるでしょう。
パントリー
パントリーはキッチン周りの収納を整理するためのスペースで、2つのタイプがあります。ひとつはウォークイン型で、小部屋として設置するタイプです。
広さは畳1枚以上が推奨され、冷蔵庫や調理器具を余裕を持って収納できるので、キッチンがつねにすっきりとまとまります。もうひとつは壁面タイプで、棚を壁に取り付ける形式です。棚の奥行きは30~45cmが理想で、可動棚を取り入れるとさらに便利です。
ロフト・屋根裏収納
ロフトや屋根裏収納は、デッドスペースを活用した収納方法で、とくに季節用品やスーツケースなど、使用頻度の低い大きな物を収納するのに向いています。ロフトや屋根裏収納は梯子を使ってアクセスするため、ひとりでも持ち運び可能な軽量で大きな荷物を選ぶことがポイントです。
階段下収納
階段下収納は空間を有効に活用する方法として人気です。収納を使いやすくするためには、大人が立てる高さを確保することが大切です。
さらに、造作棚を設置すれば、限られた空間でも効率的に収納でき、棚板の高さを調整可能にすれば利便性がさらに向上します。あえて扉をつけずオープンな収納にすることで、中の物が一目で確認できる便利な収納スペースにもなります。
収納計画を立てるにあたり失敗しないためのポイント
注文住宅の収納計画に失敗すると、収納スペースが足りなかったり、使い勝手が悪い住まいになってしまいます。ここでは、収納計画で失敗しないための3つのポイントをご紹介します。
ポイント1.動線を考慮する
たとえ十分な収納スペースがあっても、使いにくい場所にあれば日常生活の快適さが損なわれます。そのため、頻繁に使用する物は、目線や手の届く場所に配置し、すぐに取り出せる場所に収納すると、動線を短くなり家事効率がアップします。
また、各部屋の用途や家族の生活動線にあわせた収納設計を心がけることで、日常の家事や片付けもスムーズに行えるようになります。
ポイント2. 収納物のサイズにあわせて設計しよう
あまりに細かく収納を分けると、大きな物が入らないという事態が発生することがあります。まずは、どのような物を収納するのか、その種類やサイズをリストアップしましょう。衣類、本、家電、掃除用具など、それぞれに適した収納スペースを設計することで、収納効率が向上します。
とくに可変式の棚や引き出しを使うことで、収納物に応じて調整できるため、汎用性の高い収納スペースが作れます。また、収納スペースが狭すぎると物が収まりきらない一方、広すぎるとデッドスペースが発生してしまうので、バランスの取れた設計を心がけましょう。
ポイント3. 適切な収納量の見積もり
収納量を見積もる際には、家族構成やライフスタイルを考慮することが大切です。とくに、子育て世帯は、ベビー用品から学用品、さらにはスポーツ用品やおもちゃなど、子どもの成長にともない収納する物が変わっていきます。将来的に増える物を考慮して、余裕のある収納スペースを確保しておくのがおすすめです。
まとめ
動線を考慮し、収納物のサイズや量にあわせた収納計画を立てることで、使いやすく快適な住まいを実現できます。家族全員がストレスなく過ごせる空間づくりを目指して、計画段階からしっかりと検討することが重要です。また、ライフスタイルの変化に対応できる柔軟な収納計画を立てることで、長期間にわたって快適な住まいを維持できます。